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フィードバックに基づくアップデート プロセスの改善

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この記事は Android および Google Play プロダクト管理担当副社長、Sameer Samat による Android Developers Blog の記事 "Improving the update process with your feedback" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。



Android API や Play ポリシーのアップデートに関するフィードバックをお寄せくださった皆さん、どうもありがとうございます。私たちのもとには、改善リクエストとともに、いくつかの不満の声も届いています。ここでは、変更の経緯や理由、そして、皆さんのフィードバックに基づいてアップデートの公開やデベロッパー コミュニティへのお知らせの方法をどのように改善しているかについて、説明したいと思います。


当初より、Android は完全なオープンソース オペレーティング システムを目指して作成されています。また、プラットフォームをできる限り簡単に使ってもらえるように、下位互換性と API の整合性を保証するための努力も重ねてきました。このデベロッパー中心のアプローチとオープン性は、Android が生まれたころから中核をなす理念であり続けています。この点に変わりはありません。


しかし、プラットフォームが拡大して進化しているので、決断はトレードオフも伴います。日々、世界中の何十億という人々が、皆さんの作ったアプリを使って大切な人々とつながったり、財務情報を管理したり、医師と連絡をとったりしています。ユーザーは、アプリがどのように個人情報を使っているかを理解し、それを制御したいと考えています。そして、プラットフォームとしての Android がそういった透明性や制御を提供してくれることを期待しています。私たちは、このようなユーザーに対する責任を常に重く受け止めています。そのため、私たちのプラットフォームやポリシーがその責任をどう反映しているかについて、総合的に確認しています。


パーミッションに注目する

今年の初めに Android Q のベータ版を発表しました。そこには、ユーザーに透明性や制御を提供し、個人情報の保護を強化するためのたくさんの機能や改善項目が含まれています。また、Q で導入されるシステムレベルの変更点とともに、Play デベロッパー ポリシーの見直しと改訂を行い、ユーザーのプライバシーについてさらに改善しました。これまでも、ユーザーがどのように情報が利用されているかについて理解できるように、デベロッパーの皆さんには、個人データの収集や利用を開示すること、そして、アプリの機能やサービスを提供するために実際に必要なパーミッションだけを使うことをお願いしてきました。また、昨年 10 月にお知らせした Project Strobe の一環として、各 Android ランタイム パーミッションについての具体的なガイダンスを公開する作業や、Google 製のアプリを同じ基準にする作業を進めています。


昨年後半には、SMS と通話履歴に関するパーミッションの変更に取りかかりました。これらのパーミッションによってプライベートなユーザーデータの保護を強化するため、ユーザーがデフォルトのテキスト メッセージ アプリに指定している場合など、一部のユースケースのみにアクセスを限定しました。このデータを使っているアプリの一部の機能が利用できなくなることは承知しており、中には、多くのユーザーが重宝している機能もあったため、可能な場合に代替方法を提供できるよう、皆さんと協力して作業を進めました。その結果、現在このプライベートな情報にアクセスするアプリの数は、98% 以上少なくなっています。これらのアプリの大半は、代替方法に切り替えたか、重要でない機能を削除しました。



デベロッパーのフィードバックから学ぶ

こういった変更は、ユーザーのプライバシー保護を強化する上で欠かせないことです。しかし私たちは、プラットフォームの進化によってデベロッパーに大きな負担がかかることを懸念しています。私たちには、デベロッパーの皆さんが変更点を理解してそれに対応するために必要になる詳細やリソースを確実に得られるようにする責任があります。その点で、まだ改善の余地があることは承知しています。たとえば、SMS や通話履歴に関する新しいポリシーを導入する際、多くのデベロッパーの皆さんが意思決定プロセスに関する不満を表明しました。ここで、多く寄せられたテーマをいくつかご紹介します。

  • パーミッション宣言フォーム:パーミッション宣言フォームのユースケースについての説明が不明瞭で、正しく処理するのが難しいと感じた方がいました。

  • レビューと申し立てのプロセスにかかる時間:アプリがポリシー要件を満たしているかどうかについて、答えが返ってくるまでにかかる時間が長すぎると感じた方がいました。また、異議を申し立てるプロセスが長く煩雑だと感じた方もいました。

  • Google の「本物の人間」からの情報: Google の判断は人間が関与せず自動で行われているという印象を持った方もいました。また、ポリシー上の判断やデベロッパーが提案する新しいユースケースについて、詳細を教えてくれる人までたどり着くのが難しいと感じた方もいました。
これに対応して、次のようにプロセスを改善および明確化しています。
  • 綿密なコミュニケーション:ポリシーに関連するリジェクトや申し立ての際に送られるメールを改訂し、意思決定の理由、準拠するために必要なアプリの修正方法、申し立ての方法などの詳しい説明を追加しています。

  • 評価と申し立て:ポリシーに関するすべてのメールと申し立てフォームに、申し立ての手順を含める予定です。その際に、詳細はヘルプセンターから確認できることも記載します。また、申し立てのプロセスの見直しと改善も行う予定です。

  • チームの拡大:既に、注意を要する判断はすべてボットではなく人間が行っていますが、相手となる皆さんに合わせた応答になるようにコミュニケーションを改善しています。また、申し立てプロセスにかかる時間を短縮できるように、チームを拡大しています。



デベロッパー アカウントの評価

一部のデベロッパーの皆さんからは、アカウントがブロックされて Google Play でアプリを配布できなくなったという声が寄せられています。大半の Android デベロッパーは善良な人々ですが、皆さんのユーザーを守るためのポリシーに対して重大な違反行為を繰り返して停止されるアカウントがあることも事実です。多くの場合、悪意のあるデベロッパーは、新しいアカウントを作ったり他のデベロッパーの既存アカウントを使ったりしてこの措置を回避し、安全でないアプリを公開しようとします。私たちは可能な限りのオープン性を保つために努力しています。しかし、悪意のあるデベロッパーがシステムを操作してユーザーを危険にさらすことを避けるため、あるアカウントが別のアカウントと関係しているという結論について、必ずしも理由を明かせるとは限りません。


このようなアカウントの停止は、99% 以上の判断が正当なものです。しかし、誤ってアカウントが無効になると重大な影響を与えることになるので、私たちはその点に非常に注意しています。私たちの判断に対しては、どのような場合でも即座に申し立てを行うことができます。すべての申し立ては、私たちのチームの人間の担当者が綿密に確認します。申し立てのプロセスで誤りがあったことがわかった場合、アカウントは再開いたします。
それとは別に、もう少し時間(数週間ではなく数日)をかけてまだ実績のないデベロッパーのアプリに対して、レビューを行う予定です。これにより、アプリが承認されてストアで公開される前に徹底的なチェックが行われ、デベロッパーのアカウントに対する誤った判断はさらに少なくなります。


Android を世界中の数十億の人々が使うさらに便利なプラットフォームにするために、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。



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Reviewed by Yuichi Araki - Developer Relations Team

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