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プロファイルによる最適化で Chrome を高速化する

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この記事は Chrome エンジニアリング ディレクター Max Christoff による Chromium Blog の記事 "Chrome just got faster with Profile Guided Optimization" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。



最初期から、Chrome は最速のブラウザを目指して構築されました。Chrome が速くなるほど、よりすばやく必要な情報を見つけたり、やるべき仕事を片付けたりできます。Chrome  85 を使うと、明らかに速くなっていることに気づくはずです。これは、直近の 2 つの改善によるものです。その 1 つはプロファイルによる最適化で、ページの読み込みが最大 10% 速くなります。もう 1 つは、アイドル状態のバックグラウンド タブの影響を減らすタブ スロットリングで、こちらは Beta チャンネルでリリースされる予定です。

プロファイルによる最適化

簡単に説明すると、プロファイルによる最適化(Profile Guided Optimization、PGO)は、コードで最もパフォーマンスに影響する部分を高速に実行できるようにするコンパイラ最適化技術です。PGO には、世界中の Chrome ユーザーのワークフローに一致する実用的なシナリオを利用しているため、ほとんどの一般的なタスクが優先され、高速に実行されます。この機能は、Mac と Windows の Chrome 85 にロールアウトされます。

PGO は当初、Windows の Chrome 向けに バージョン 53 で導入されました。これには、以前のビルド環境である Microsoft Visual C++(MSVC)が使われていました。85 では、Clang を使って Mac と Windows に PGO をロールアウトします。私たちのテストでは、ページ読み込みの中央値が一貫して最大 10% 速くなっています。また、CPU がたくさんのタブやプログラムを実行している場合は、特に大きく改善されます。


プラットフォームブラウザの応答性* First Contentful Paint**Speedometer 2.0
Mac
3.9% 高速
2.3% 高速
7.7% 高速
Windows
7.3% 高速
3.5% 高速
11.4% 高速

タブ スロットリングがベータ版に

作業にたくさんのタブが必要なことは承知しています。Beta チャンネルにロールアウトされるタブ スロットリングを使えば、Chrome は長い間バックグラウンド状態になっているタブからリソースを回収し、今使っているタブに割り当てます。これにより、読み込み速度が改善するだけでなく、電池やメモリも節約できます。一般公開されるときには、その仕組みについてさらに詳しくこのブログでお伝えしますので、お楽しみに。

Chrome のパフォーマンス(スピードのほか、電力、メモリ、CPU などのリソースの使用量)は、常に私たちの最優先事項です。私たちの専門のエンジニアリング チームは、あらゆる端末やオペレーティング システムで、インターネットの状態によらず、Chrome が高速かつスムーズに動作するように、一貫して(そして静かに)改善を行っています。Windows ノートパソコンでタブをよく使う方や、Android スマートフォンで軽量なアプリを必要とする方など、あらゆるユーザーが端末のリソースを最も効率よく使えるようにするため、私たちは懸命に努力しています。

* ブラウザがユーザーの入力に応答する速度(実際のデータは、Chrome の安定版より前のチャンネルで匿名で集計されました)
** ページ読み込みの際に、最初のテキストまたはイメージが表示されるまでにかかる時間(実際のデータは、Chrome の安定版より前のチャンネルで匿名で集計されました)


Reviewed by Eiji Kitamura - Developer Relations Team

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