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TensorFlow 事例 : Coral を⽤いて回転寿司の会計を⾃動化するくら寿司

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⽇本全国に多くの回転寿司の店舗を展開するくら寿司株式会社は業務の効率化のために TensorFlow を⽤いた会計システムを構築しました。



回転寿司はレーンに乗って寿司⽫が客席を回遊し、客は⾷べたい寿司⽫を取るというセルフピックアップ システムの寿司店です。また、客席に備えられたタブレットからも寿司やサイドメニューを注⽂する事ができま す。

くら寿司の会計は「回転レーンから取った寿司⽫数」と「オーダーした寿司⽫数」をカウントすることで会計が 決まる仕組みとなっています。

これまでは「回転レーンから取った寿司⽫数」が機械的に取得できず、店員が⼿動かつ⽬視で⽫数の確認を⾏っていましたが、くら寿司では QR コードの識別とTensorFlow を⽤いた画像検知により⾃動で取られた寿司⽫の種類と数をカウントすることで、無⼈で会計確認を⾏う事を実現し、業務コストの削減に成功しました。

システム構成

くら寿司ではレーンを流れる寿司には”抗菌寿司カバー「鮮度くん」”という透明なプラスチックのケースが付い ています。これは寿司の鮮度を保ち、誰も触れないことで清潔さを守るためのケースです。

このケース上部には寿司ネタの種類を記載したQRコードを設置しています。

[QRコードの付いた鮮度くんの写真]

⼀⽅、レーンに沿って配置された各テーブルには、レーンの上流と下流に、レーンの直上となる場所にカメラを設置しています。このカメラは TensorFlow の処理を⾼速化する Coral を搭載したRaspberry Pi に付属したもので す。


[レーンに設置された Raspberry Piの写真]

このカメラでQRコードを識別するとともに、TensorFlow を⽤いて鮮度くんから⽫が取られたかどうかを認識しています。


具体的には上流を通過した時点で鮮度くんが閉まっている事を検知し、下流で開いている場合、そのテーブルで鮮度くんから⽫が取られたと判断することができます。ここでQRコードで識別した寿司の種別をあわせることで、どの寿司がどのテーブルで取られたかを識別することができます。

これらの識別や検知のデータは Raspberry Pi 内で⾼速に⾏われ、原則としてその結果のみが店内に設置された サーバに送信されるため、システム全体としてのデータのやりとりは⼩さなものとなります。

検知デバイスとして Raspberry Pi を選んだ理由はくら寿司が持つ経験に基づいています。ローカルで TensorFlow の⾼速処理を実現するために Coral Edge TPU を⽤いていますが、Coral ⽤に設計された Dev Board を⽤いるのではなく、すでに別の⽤途で店舗で数千台稼働させた経験のある Raspberry Pi に Coral を搭載する形態を採⽤しています。



今後の展開

このように⽇々改善されているこのシステムは 2020 年の時点ですでに200ほどの店舗で稼働しています。くら寿司は⽇本国内に450店舗ほどありますが、来年度には全店舗にこのシステムを展開させ、全ての店舗で TensorFlow を⽤いた⾃動の会計システムを稼働させる予定です。



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