この記事は プロジェクト マネージャー、Eric Mauskopf による Google Developers Blog の記事 "Resonance Audio: Multi-platform spatial audio at scale" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。
人間は音によって、自分を取り巻く環境を理解し、他の人とコミュニケーションしたり、周りで何が起こっているのかを把握しています。忙しい都会の道を歩いているときでも、満員の音楽コンサートの最中でも、さまざまな方向からやってくる無数の音を聞くことができます。そのため、AR、VR、ゲーム、あるいは 360 度動画では、本当にそこにいるように感じられる高度な没入感を作り出すために、高音質のサウンドが必要になります。本日(*原文公開当時)、Resonance Audioと呼ばれる新しい空間オーディオ SDK がリリースされました。これは、Google の VR Audio SDK のテクノロジーに基づいており、モバイル プラットフォーム、PC プラットフォームを問わず、幅広く動作します。
Daydreamおよび SteamVR用の Audio Factory VR アプリで空間オーディオを体験
パフォーマンスに影響を与えることなく、VR、AR、ゲーム、動画の体験に質の高いダイナミックなオーディオ環境を提供するのはなかなか困難です。通常、オーディオに割り当てられる CPU リソースは少なく、モバイルでは特にそうです。そのため、複雑な環境を作る際に同時に利用できる高品質 3D 音源の数には制限があります。この SDK は、高次アンビソニックに基づく高度に最適化されたデジタル信号処理アルゴリズムを使い、モバイルでも音質に妥協することなく、数百個の同時 3D 音源を立体化します。さらに、Unity には、環境の音響特性と厳密に一致する非常にリアルなリバーブ効果を事前計算する新機能が追加されています。これによって、再生中の CPU 使用率を大幅に削減できます。
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Unity で音響マテリアルを大聖堂に割り当て、ジオメトリベースのリバーブを使用
お気に入りのオーディオ ミドルウェアやサウンド デザインツールにオーディオ ソリューションがシームレスに統合されていることはとても重要です。Resonance Audio は広く普及しているゲームエンジン、オーディオ エンジン、デジタル オーディオ ワークステーション(DAW)向けのクロスプラットフォーム SDK がリリースされています。それによってワークフローを効率化できるため、没入感のあるオーディオの作成に集中できます。この SDK は、Android、iOS、Windows、MacOS、Linux の各プラットフォームで動作し、Unity、Unreal Engine、FMOD、Wwise、DAW に統合できます。さらに、C/C++、Java、Objective-C、ウェブ用のネイティブ API も提供されています。マルチプラットフォームがサポートされているので、いったんサウンドをデザインすれば、一貫性のあるサウンドを含むプロジェクトを主要なモバイルおよび PC プラットフォームに対して簡単にデプロイできます。YouTube 動画や Resonance Audio SDK で開発したアプリ向けの空間オーディオを正確にモニタリングできる新しい DAW プラグインも作成されています。これを使えば、サウンド デザイナーは時間を節約できます。ウェブ デベロッパーは、Resonance Audio Web SDK を入手できます。これは、Web Audio API経由で利用でき、主要なウェブブラウザ上で動作するオープンソースの SDK です。
YouTube 360 度動画や SDK で開発したアプリ用のオーディオをモニタリングするサウンド デザイナー向け DAW プラグイン
Resonance Audio では、複雑なサウンド環境を正確にモデリングする強力なツールが提供されているので、基本的な立体音響化以上のことが可能です。この SDK を使うと、デベロッパーは音源から音波が伝播する方向を制御できます。たとえば、ギタリストの後ろに立っている場合、正面に立っている場合よりも音を小さくすることができます。さらに、ギターの方向を向くと、背中を向けているときよりも音を大きくすることができます。
SDK を使ってアコースティック ギターの音波の指向性を制御
また、音源がリスナーの頭に近づいた際に自動的に近接効果を適用する機能も実装しています。これによって、音源が耳に近い場合でも、距離を正確に認識できるようになります。さらに、音源の幅を指定して音源を拡散させることもできます。これによって、空間上の小さな 1 点から発される音から、音の壁までを再現できるようになります。さらに、Unity 内で直接サウンド デザインを立体的に録音してファイルに保存し、ゲームエンジンから YouTube 動画まで、アンビソニック サウンドフィールド再生がサポートされている場所ならどこでも利用できるようにするアンビソニック録音ツールもリリースされました。
最新の空間オーディオ テクノロジーを使って没入感のある質の高い音響環境を作ってみたい方は、デベロッパー サイトで Resonance Audio のドキュメントをご覧ください。ご感想は、GitHubからお知らせください。また、ソーシャル メディアで #ResonanceAudio を付けて皆さんの作品を共有してください。優れた作品については、私たちからもシェアいたします。
Reviewed by Hak Matsuda - Developer Relations Team
人間は音によって、自分を取り巻く環境を理解し、他の人とコミュニケーションしたり、周りで何が起こっているのかを把握しています。忙しい都会の道を歩いているときでも、満員の音楽コンサートの最中でも、さまざまな方向からやってくる無数の音を聞くことができます。そのため、AR、VR、ゲーム、あるいは 360 度動画では、本当にそこにいるように感じられる高度な没入感を作り出すために、高音質のサウンドが必要になります。本日(*原文公開当時)、Resonance Audioと呼ばれる新しい空間オーディオ SDK がリリースされました。これは、Google の VR Audio SDK のテクノロジーに基づいており、モバイル プラットフォーム、PC プラットフォームを問わず、幅広く動作します。
モバイルから PC まで対応したパフォーマンス
パフォーマンスに影響を与えることなく、VR、AR、ゲーム、動画の体験に質の高いダイナミックなオーディオ環境を提供するのはなかなか困難です。通常、オーディオに割り当てられる CPU リソースは少なく、モバイルでは特にそうです。そのため、複雑な環境を作る際に同時に利用できる高品質 3D 音源の数には制限があります。この SDK は、高次アンビソニックに基づく高度に最適化されたデジタル信号処理アルゴリズムを使い、モバイルでも音質に妥協することなく、数百個の同時 3D 音源を立体化します。さらに、Unity には、環境の音響特性と厳密に一致する非常にリアルなリバーブ効果を事前計算する新機能が追加されています。これによって、再生中の CPU 使用率を大幅に削減できます。

デベロッパーやサウンド デザイナーのためのマルチプラットフォーム サポート
お気に入りのオーディオ ミドルウェアやサウンド デザインツールにオーディオ ソリューションがシームレスに統合されていることはとても重要です。Resonance Audio は広く普及しているゲームエンジン、オーディオ エンジン、デジタル オーディオ ワークステーション(DAW)向けのクロスプラットフォーム SDK がリリースされています。それによってワークフローを効率化できるため、没入感のあるオーディオの作成に集中できます。この SDK は、Android、iOS、Windows、MacOS、Linux の各プラットフォームで動作し、Unity、Unreal Engine、FMOD、Wwise、DAW に統合できます。さらに、C/C++、Java、Objective-C、ウェブ用のネイティブ API も提供されています。マルチプラットフォームがサポートされているので、いったんサウンドをデザインすれば、一貫性のあるサウンドを含むプロジェクトを主要なモバイルおよび PC プラットフォームに対して簡単にデプロイできます。YouTube 動画や Resonance Audio SDK で開発したアプリ向けの空間オーディオを正確にモニタリングできる新しい DAW プラグインも作成されています。これを使えば、サウンド デザイナーは時間を節約できます。ウェブ デベロッパーは、Resonance Audio Web SDK を入手できます。これは、Web Audio API経由で利用でき、主要なウェブブラウザ上で動作するオープンソースの SDK です。
YouTube 360 度動画や SDK で開発したアプリ用のオーディオをモニタリングするサウンド デザイナー向け DAW プラグイン
最新機能で複雑なサウンド環境をモデリング
Resonance Audio では、複雑なサウンド環境を正確にモデリングする強力なツールが提供されているので、基本的な立体音響化以上のことが可能です。この SDK を使うと、デベロッパーは音源から音波が伝播する方向を制御できます。たとえば、ギタリストの後ろに立っている場合、正面に立っている場合よりも音を小さくすることができます。さらに、ギターの方向を向くと、背中を向けているときよりも音を大きくすることができます。
また、音源がリスナーの頭に近づいた際に自動的に近接効果を適用する機能も実装しています。これによって、音源が耳に近い場合でも、距離を正確に認識できるようになります。さらに、音源の幅を指定して音源を拡散させることもできます。これによって、空間上の小さな 1 点から発される音から、音の壁までを再現できるようになります。さらに、Unity 内で直接サウンド デザインを立体的に録音してファイルに保存し、ゲームエンジンから YouTube 動画まで、アンビソニック サウンドフィールド再生がサポートされている場所ならどこでも利用できるようにするアンビソニック録音ツールもリリースされました。
最新の空間オーディオ テクノロジーを使って没入感のある質の高い音響環境を作ってみたい方は、デベロッパー サイトで Resonance Audio のドキュメントをご覧ください。ご感想は、GitHubからお知らせください。また、ソーシャル メディアで #ResonanceAudio を付けて皆さんの作品を共有してください。優れた作品については、私たちからもシェアいたします。
Reviewed by Hak Matsuda - Developer Relations Team