Quantcast
Channel: Google Developers Japan
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2207

BLE ビーコンで未来を照らす

$
0
0

[この記事は Chandu Thota、エンジニアリング ディレクターと Matthew Kulick、プロダクト マネージャーによる Android Developers Blog の記事 "Lighting the way with BLE beacons" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。]

数千年に渡り世界の海を航行する船乗りの行く手を照らしてきた灯台。その灯台のように、電子ビーコンはアプリに正確な場所および状況から得られる情報を提供して、世界をナビゲートする役目を果たします。例えば、ビーコンは、バス停をラベル付けし携帯端末がバスのチケットを用意できるようにしたり、美術館のアプリは目の前にある展示物の説明を表示したりすることができます。現在、新しい一連の機能のリリースを開始しようとしており、これにより、開発者がこのテクノロジーを使用してアプリを作成できるようになります。これには、利用者のデバイスと通信するための Bluetooth Low Energy(BLE)ビーコンの新しいオープンなフォーマット、この有意義なデータをアプリや Google サービスに追加する方法、および保有しているビーコンを効率的に管理する方法が含まれます。


Eddystone: オープンな BLE ビーコンのフォーマット

BLE ビーコン業界のパートナーと密な協力関係を結び、既存のビーコン テクノロジーに関するニーズや制約について多くを学びました。そしてそれを基に、現実のユースケース、クロスプラットフォームのサポート、およびセキュリティに対応する新しいクラスのビーコンの作成に着手しました。

BLE ビーコンであることの中核はフレーム フォーマットです。つまり、ビーコンが世界に発信する言語です。現在、誰でも使用できる BLE ビーコンの新しいオープンなフォーマットである Eddystone を公開することによって、ビーコン テクノロジーのユースケースの範囲を広げています。Eddystoneは堅牢で拡張可能です。 各種のユースケースのために複数のフレーム タイプをサポートし、新しい機能を簡単に導入できるようにバージョニングをサポートしています。またクロスプラットフォームであり、Android、iOS、または BLE ビーコンをサポートする任意のプラットフォームをサポートできます。さらに、誰もが使用し改善に貢献できるように、オープンソースの Apache v2.0 ライセンスで GitHub から入手できます。

ビーコンはパブリックな信号である識別子を介して近くの Bluetooth Smartデバイスが検出できるように設計されています。つまり、プライバシーとセキュリティの確保が非常に重要であり、このためEphemeral Identifier(EID)と呼ばれる機能が組み込まれました。これは、頻繁に変更されて、認証されたクライアントのみがデコード可能です。EID を使用すると、飛行機を降りた後に手荷物を見つけたり、紛失した鍵を見つけたりということが安全にできるようになります。この設計の技術仕様はまもなく公開予定です。

開発者のための Eddystone: アプリにより適したコンテキスト

Eddystone は開発者に 2 つの重要な利点を提供します。より意味のあるコンテキストと正確な場所です。これらをサポートするために 2 つの新しい API が導入されています。Android と iOS 用の Nearby APIを使用すると、アプリが近くにあるデバイスやビーコン(特定のバス停、美術館の特定の展示など)を容易に特定、通信を開始でき、より適切なコンテキストを提供します。Proximity Beacon APIを使用すると、開発者は意味を持つ場所(つまり、緯度/経度に関連付けられている場所)とクラウドに格納されている関連するデータをビーコンに関連付けることができます。この API は既存の位置情報 API(次のバージョンの Places APIなど)で使用することもできます。

ビーコン メーカーのための Eddystone: 複数のプラットフォームのための単一のハードウェア

Eddystone の拡張可能なフレーム フォーマットを使用すると、ハードウェア メーカーは複数のモバイル端末プラットフォームおよびアプリケーション シナリオを単一のハードウェアでサポートできます。既存の BLE ビーコンは、簡単なファームウェアのアップデートによって Eddystone 対応にすることができます。Eddystone は基本的にオープンで拡張可能であり相互に使用できるプロトコルとして作成されました。そのため、ハードウェア メーカーのパートナーと密に連携することにより、Eddystone の認証プロセスも近々整備する予定です。Eddystone 対応のビーコンはすでに多数のパートナーによって作成されています。

ビジネスのための Eddystone: 保有しているビーコンを簡単に保護および管理

ビジネスが、ビーコンを利用したアプリの検証段階からスタジアムやターミナル駅などへのビーコンの配備に移行すると、ハードウェアの設置およびメンテナンスは容易ではなくなります。正常動作中、故障、紛失、交換などベーコンの状態を管理する必要があります。Eddystone のテレメトリー フレーム(Eddystone-TLM)と Proximity Beacon API の診断エンドポイントの組み合わせで実装されたビーコンを使用すれば、設置者はビーコンのバッテリーの状態および交換の必要性(一般的なロジスティクスの課題)を低コストのビーコン ハードウェアで監視できます。

Google 製品のための Eddystone: 新しく、より優れたユーザー エクスペリエンス

Google 自体の製品およびサービスもビーコンによる機能向上が図られています。Google マップは、今年初めにポートランドでビーコンベースの交通情報通知を導入しました。これにより、利用者は特定の駅のリアルタイムの時刻表により速くアクセスできるようになりました。まもなく、Google Now でもこのコンテキスト情報を使用して、もっとも関連のあるカードを優先させる(レストランにいるときにメニューの内容を表示するなど)こともできるようになります。

モバイル端末アプリを使用できない場合でもビーコンが機能を発揮できるよう、Physical Web プロジェクトでは URL をブロードキャストするEddystone ビーコンを使用します。これにより、ユーザーは周辺のものとやり取りができるようになります。

独自の製品やサービスで使用するために Eddystone を選択した場合でも、Places API、Nearby API などの広範な Google ソリューションの一部として使用するために Eddystone を選択した場合でも、ビーコンはアプリのユーザー エクスペリエンスを向上するための重要な方法です。アプリの開発者とビーコンのメーカーのエコシステムは、これらのテクノロジーを推進するために重要であり、最高のアイデアは 1 つの会社のみからは生まれません。ぜひ我々のパートナーから Eddystone 対応のビーコンを購入し、構築を始めてみてください。


Posted by Yoshifumi Yamaguchi - Developer Relations Team

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2207

Trending Articles