この記事は Actions on Google 担当グループ プロダクト マネージャー、Brad Abrams による Google Developers Blog の記事 "Actions on Google at I/O: More ways to drive engagement and create rich, immersive experiences" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。Google アシスタントの
会話エクスペリエンスと視覚的要素がさらに改善されたため、ユーザーは簡単に用事を片付け、時間を節約して、他のことに専念できます。この改善は、皆さんのようなデベロッパーの貢献に負うところが大きく、そのおかげで、5 億台以上の端末で使用される Google アシスタントがさらに便利になります。Starbucks、Disney、Zyrtec、Singapore Airlines などの多くの企業は、ビルドしたアクションを通じてユーザーとの関係を築いています。Google アシスタントは、Google やデベロッパーの皆さんがビルドした合計 100 万個以上のアクションを利用してユーザーを支援する準備ができています。
Actions on Google をリリースして以来、Google のミッションは常に、魅力的なアクションを作成して人々の日常生活の一部にするためのツールをデベロッパーに提供することでした。過去 6 か月にわたってプラットフォームを大幅にアップグレードしてきたため、その展望の実現にさらに近づきました。
アクションを見つけやすくするための改善を加え、
より多くの言語で Actions on Google を使えるようにし、アクションを
より創造的かつ視覚的に魅力のあるものにするためにいくつかの対策を講じました。新しい
会話設計サイトを公開したほか、先週、Google アシスタントのエコシステムを推進するため、
新興企業に投資する新しいプログラムを発表しました。
本日は、アプリ デベロッパーやウェブ デベロッパーが Google アシスタントを使った開発を簡単に進められるようにする方法を紹介します。
ようこそ、Android デベロッパーとウェブ デベロッパーの皆さん
多くの優れた Android デベロッパーがモバイルアプリを補完するアクションをビルドしていることを知っています。デベロッパーは既に、Android アプリに加えて、Google アシスタント用にビルドするアクション向けに、パーソナルな接続されたエクスペリエンスを構築することができます。現在、さらに多くの方法で Android アプリのエクスペリエンスを Google アシスタントに拡張できるようにしています。
Google アシスタント向けのアクションは、ユーザーが自宅や外出先でスマートフォン、スマート スピーカー、TV、車、時計、ヘッドフォン、近日中にリリースされる予定のスマート ディスプレイを使ってアクセスできるアプリのコンパニオン エクスペリエンスであると考えてください。Android アプリのいくつかのエクスペリエンスをパーソナライズする必要がある場合、
アカウントのリンク機能を使用すると、ユーザーがアプリを使用しているか、またはアクションを操作しているかどうかに関係なく、ユーザーに一貫したエクスペリエンスを提供することができます。
Google Play からのシームレスなデジタル コンテンツ サブスクリプション
シームレスなデジタル サブスクリプションのサポートが追加されたため、ユーザーは、Google アシスタントのアクションを使って、Google Play ストアで購入したコンテンツや
デジタル製品を楽しむことができます。たとえば、現在、Economist のアプリのプレミアム定期購入者は、Google アシスタント対応端末でプレミアム コンテンツを閲覧できます。
ユーザーによる物理的な商品のトランザクション実行は既に支援できますが、間もなく、アクションからデジタル製品やサブスクリプションを直接提供できるようになります。
ディスプレイ サーフェスの完全にカスタマイズ可能な視覚的要素
Google アシスタントでは、スマートフォン、スマート ディスプレイ、TV のために、会話と豊富な視覚的操作が組み合わされています。そのため、特別な操作を行わなくても、これらの視覚的サーフェスでアクションが既に機能するようになっています。
本日より、背景画像の制御、書体の定義、アクションで使用されるカラーテーマの設定などを行うことにより、こうした手法をさらに推し進めて、視覚的サーフェスのために
アクションの外観をより適切にカスタマイズすることができます。すぐに Actions Console を開いて、変更を加え、シミュレータでテストしてください。これらの変更は、スマートフォン、TV、スマート ディスプレイ(リリース後)で利用できるようになります。
デモ アクションのスクリーンショット例を次に示します。
また、Volley は、ゲーム「King for a Day」のフルスクリーン表示される没入的なエクスペリエンスを以下のように作成しています。デベロッパー向けに、画面いっぱいに広がるカスタマイズ可能な視覚的要素を作成する機能が今後数か月以内にリリースされます。
アプリ アクションの紹介
本日(*原文公開当時)の Android 基調講演で、アプリ アクションと呼ばれる新しい機能を
発表しました。
アプリ アクションは、ユーザーがタスクを開始したときに Android アプリの視認性を引き上げる新しい方法です。別のチャンネルを作成して、Google アシスタントでアプリ アクションを使用するユーザーをより多く獲得したいと考えています。
すべてのデベロッパーは、アプリ アクションを間もなくお試しいただけます。通知を受けたい場合は、
こちらからお申し込みください。
新しいユーザーを見つけて、リピート率を高める
Google アシスタント向けのアクションをビルドしたら、多くのユーザーに実際に使用してもらいたいと思うでしょう。スマートフォンで
Action Notificationsに登録するようユーザーを促すこと既に可能ですが、間もなくサポートが拡張されるため、ユーザーはスマート スピーカーや
スマート ディスプレイで通知を受け取れるようになります。本日、より多くのユーザーがアクションを見つけて、ユーザーに日常的にアクションを使用してもらうことを目指して 3 つのアップデートを発表します。
組み込みのインテントを使用してアクションをユーザーのクエリにマッピングするGoogle は 20 年以上にわたって、整理およびランク付けを行い、最も関連性の高いエクスペリエンスをユーザーに提供することにより、ユーザーが探している情報、サービス、およびコンテンツをユーザーに結び付けることを支援してきました。
組み込みのインテントを使用して、この専門知識を Google アシスタントで利用できるようにします。
ユーザーは、「ねえGoogle、地図クイズをしよう」と言ったときに、Google アシスタントが地理に関連するゲームを提案すると期待します。正しく提案できるようにするには、ユーザーの根本的な意図を理解する必要がありますが、場合によっては、この判断は困難を極めます。ユーザーがゲームについて尋ねる方法は数千通りあることを考えてみてください。
Google では、この複雑さに対処するために、ユーザーが何かを尋ねるすべての方法を組み込みのインテントの分類にマッピングすることを開始しています。本日、これらのインテントの最初のセットが利用可能になったため、デベロッパーは、アクションで実行できることに関して、より詳しい情報を Google アシスタントに提供することができます。その結果、Google アシスタントはアクションをより深く理解し、ユーザーの意図に適合したアクションを提案できるようになります。数か月以内に数百個の組み込みのインテントを公開する予定です。
現在、アクションに組み込みのインテントを実装して、シミュレーターでテストすることが可能です。間もなく、本番環境でこれらのインテントを使用できるようになります。
リンクが機能するあらゆるところからアクションをプロモートするアクション リンクを使ってトラフィックをアクションに簡単に誘導できるようにしています。この誘導は、ウェブサイト、メール、ブログのほか、Facebook や Twitter などのソーシャル メディア チャンネルで使用できるハイパーリンクを通じて行われ、アクションに直接ディープリンクされます。
現在、Headspace などのデベロッパーは新しい試みを行っており、アクションの使用を促進して、ウェブからアクションに直接誘導できるようにしています。ユーザーはスマートフォンやスマート ディスプレイでリンクをクリックして、アクションのエクスペリエンスにアクセスできます。PC 上でアクション リンクをクリックした場合は、スマート スピーカーや TV など、使用する Google アシスタント対応端末を選択することができます。
Headspace のウェブサイトで例をご覧いただくか、
こちらから Headspace のアクション リンクをお試しください。
アクションを既にビルドしていて、アクションの使用を促進したい方は、本日より、Actions Console にアクセスしてアクション リンクを見つけ、操作を開始することができます。
ユーザーの日々のルーチンの一部になるユーザーのリピート率を一貫して向上させるには、ユーザーの日常的な行動習慣の中で使用してもらう必要があります。Google アシスタントのユーザーは既に
ルーチンを使用して、単一のコマンドで複数のアクションを実行しています。これらのアクションは、ユーザーが朝目覚めたとき、出勤するとき、寝る用意をするときのほか、1 日を通して行うその他の多くのタスクに最適です。
現在、
Routine Suggestionsを使用すると、ユーザーがアクションを使用した後、ほんの数回のタップでアクションをルーチンに追加できることを提示できます。
つまり、ユーザーは毎朝出勤するときに、Google アシスタントを通じてスターバックスのアメリカーノを注文し、Economist のプレミアム コンテンツを再生することができます。
Actions Console で Routine Suggestions 用のアクションを有効にすることができます。間もなく本番環境でも使用できるようになります。
その他...アクション リンクを設定してソーシャル メディアのすべてのフォロアーとの共有を開始する前に、次にご紹介する、I/O でのその他の発表をご確認ください。
- 適切なテスト: アクションの品質を高めるには、実際のユーザーにテストしてもらうことが最適な方法です。本日から、リリース前のアルファ版またはベータ版環境で限定された数のユーザーに対してアクションをデプロイしたり、アクションにアップデートを追加したりできるようになりました。
- スマート スピーカーでの音声トランザクション:本日から、米国のユーザーは Google Home などの音声起動スピーカーを介して商品を購入できるようになりました。今後数週間以内に、英国、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、日本でも、この方法で商品の購入が可能になります。
- 再設計された Actions Console:新しいオンボーディング エクスペリエンスが導入され、いくつかのカテゴリから選択して、ワークフローを調整できるようになりました。新しい UI により、デベロッパーのワークフロー ステージがガイドされるため、アクションをすばやく簡単にビルドできます。
- ディレクトリの改善: ユーザーがログイン中にアクションに関するレビューを書き込むことができるため、デベロッパーには、称賛や貴重なフィードバックが提供され、徐々にアクションを微調整することが可能になります。また、[Explore] タブに新しい動的なセクション [Popular]、[You Might Like]、[Editorial Picks] が導入されたため、ユーザーにアクションを見つけてもらう新しい方法を提供できます。
- 端末向けの Google Assistant SDK: 14 の言語 / 地域のサポートに加えて、カードの可視化とメディア(ニュースやポッドキャスト)のサポートを提供します。いくつかの機能の使用例については、Deeplocal を使った新しいポスター製作機の実験をご覧いただくか、I/O の Google アシスタント デモ展示にお立ち寄りください。
- 音声を介したアカウントのリンク: Google アシスタント向け Google ログインのデベロッパー プレビューをリリースします。間もなくユーザーは音声だけを使ってアカウントとアクションを結びつけたり、アクションに対応したアカウントを作成できるようになるため、デベロッパーがユーザーのためにアカウント リンク システムをセットアップする必要がなくなります。
- Dialogflowを使用している 50 万人のデベロッパー:チームは、会話型エクスペリエンスをビルドしている 50 万人以上のデベロッパーと連携して大きな成果を上げました。デベロッパーの新しいリリースにより、迅速な導入、スマートなデバッグ、自然言語を認識する精度の向上、Google アシスタントの新しいサーフェスのビルドが容易になります。
エクスペリエンスを Google アシスタントに拡張する会話型コンピューティングの新たな時代が到来した中、多くのデベロッパーの皆さんがテストに参加し始めていることを嬉しく思います。モバイルアプリやウェブアプリはビルドしているけれども、Google アシスタント向けの会話型アクションのビルドはまだ始めていないという方は、ビルドを始める絶好のタイミングは今しかありません。Google アシスタントにふさわしいコンパニオン エクスペリエンスついて、早速検討してみましょう。わかりやすい
ガイドに加えて、報償と Google Cloud クレジットが提供される
コミュニティ プログラムを用意していますので、すぐに開発を始められます。デベロッパーの皆さんがビルドするアクションを楽しみにしています。
Reviewed by
Yoshifumi Yamaguchi - Developer Relations Team